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2005南大東島12:桜散る(最終回)

さて、沖縄本島に着き、一泊すると壷川東公園に向かいました。ここには南大東島で活躍していた機関車が保存されているからです。今まで何度か訪れようとしたことはあったのですが難しい位置にあるためか辿りつくことはできませんでした。
今回はしっかり下調べして準備万端。
しかし雨です。それも結構な大雨。「こうなると廃機関車がグッと栄えるなぁ。」
なんて強がりを言ってみるものの撮る方は大変。

untenseki-kato.jpg
コックピット。雨でよかった。でも寒かった・・・

maru-kato.jpg
この丸は車のテールランプ。雨の中ひたすら待ったけど、なかなか車は来なかった

かなりの時間をかけ隅々まで撮影を終えるころにはビッショリぐっしょり。
これで今回の撮影は終了~
といきたいところですが
沖縄にはゆいレールがあります。
国際通りエンドの安里方向にウタキがあるのですが、そこに赤瓦があり、ゆいレールと絡めることができるのです。
そのウタキに桜の木があることは以前からチェックしていたのに残念無念。

yui-sakura.jpg
さくらちるサクラチル桜散る 仮名でずいぶん印象が違うものです。

桜はすでに散っていました。2月なのに・・・
やっぱり日本って広い。と毎度ながら実感しています。
今回の南方ロケは、何らかの方法でカタチにしようと思っていたので
「ブログ」という方法、本として残す方法の2つで記せたのはよかったと思います。
しかし、「半年以上前のことを簡単に思い出せるだろうか」という不安はあったものの書き始めると、どんどん筆が(タイプが)進んでゆくものですね。
書いたボリュームはこれでも1/10にも満たないのです。
今回、色々と貴重な体験をさせていただいたスポンサー各社の方、島の方、また最後まで読んでいただいた方々本当にありがとうございました。

kuro.jpg
動きのある黒を表現したかったのです。悩みながら撮りました。

「さて、次はどこへ行こうかな!」

 南大東島 シュガートレインの幻(完)

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2005南大東島10:危うし。犬釘を守れ!

「軟弱者!」「裏切り者!」と船で会った2人に罵られはしたものの
帰りは船ではなく飛行機を選びました。
これもまた乗り物好きには楽しみだったのです。
まだプロペラ機に乗ったことのない私としては初体験。
今までも那覇空港で、その可愛い機体は見ていましたが
「いつかは乗ってみたい」と思っていたのです。

空港に到着すると「コウモリ女さん」が見送りに来てくれていました。
一緒にお土産屋さん(時刻限定)を見たのですが特に何もありません。
どうやら南大東島のお土産は犬釘3本になりそうです。
しかし犬釘も金属が探知されたら没収かなぁ。と思っていたらなんと目視です。
丁寧に全ての荷物を出して確認していました。犯罪者になった気分でしたが犬釘は綺麗に包んで歯ブラシセットの容器に入れてあったので平気だったようです。
でも今から思えば、ちゃんと断って持ってきたわけだし客席持ち込みではないので咎められることもなかったんですね。
さて私の乗る飛行機が到着したようです。撮影をしようとデッキに出てビックリ。
飛行機を降りた乗客は徒歩で空港に向かってきます。

kaihouRJ.jpg
ってことは魚眼レンズ使いたくなるでしょう!

まぁこれぐらいの距離だし他に飛行機が降りてくる心配もないからどうってこともないんですが、不謹慎ながらも「海外でハイジャックから解放された人々」というタイトルが浮かんでしまいますね。
空港建物の中に入ると荷物を載せたトラックがロビーに入ってきました。皆さんそこから荷物を取り、それぞれ散ってゆきます。これも普段目にすることはない光景でビックリでした。
驚きの連続でしたが、いよいよ搭乗です。

hanattura.jpg


なかなか、このようなアングルから撮影できる機会はありません。魚眼レンズを持ってきてよかった~
いざ飛行機に乗り込むとやっぱり中はコンパクトですね。
シートベルトをつけるとすぐにエンジン音が高くなりました。
タラ~っと離陸すると思っていたのに意外とパワフル。
カタパルトのような暴力的加速で離陸した飛行機はグングン高度を上げ島がどんどん小さくなってゆきます。

madokara.jpg
列車は車窓。飛行機は・・・?

窓の外に見えるエンジンを撮影すると
先ほど忌野氏と飲んだビールが効いてきたようです。
すっかり眠ってしまい気がつくと那覇じゃありませんか。
あっという間の夢のような時間が終わりました。
でも、なぜか南大東島シリーズは、もう少し続くのです。

2005南大東島09:どこかで見た景色だと思いつづけた日々。共通するのはキビ!

そうして南大東島での撮影も最終日を迎えました。
と言っても実際に居たのは僅か3日のことだったのです。
時間の軸、空間の軸からドロップアウトしたような感覚を覚えたためか、やたら長く居続けた気分です。
それは時計を読めなくて家の外がどんな景色かも知らないという幼い頃の感覚に似ているのかもしれません。
その頃も確かに一日がやたら長く感じたものです。

最終日の午後となると島に知り合いも増えてきて、道で会うと挨拶から長話しに展開してゆきます。今回会ったオバァは、もう聞き取れないぐらいのウチナーグチ。その言葉は民謡級で殆んど聞きとることができませんでしたが「島を見渡せる展望台がある」ということだけは理解できました。
行ってみると島の全てを俯瞰で見ることができます。
ずっと「北海道っぽい」と思っていましたが俯瞰でみると一層そう思えてきました。
トウキビがサトウキビに変わっただけでパッチワークの丘も馬やサイロも「できすぎだろ」というぐらい北海道。

on30.jpg
リトル北海道

そこの手すりにポケットから出した機関車の模型を置き、撮影を始めると製糖工場の作業服を着た人が背後にいました。
陽に焼けた忌野清志郎を思わせる彼は腰をおろし、こちらを見ています。
「この前の船で来た人だろ。他の2人はどうした。」
「なんで知ってるんですか?」
「だって見たからよぉ」
初日の港で岩場に立っていた人たちの一人だと知りました。
まだ機関車が走っていた頃から働いているということで色々な話をしてくれます。
「ちょっと待ってろ」と言うと車からビールを持ってきました。
「もう仕事は終わったから乾杯だ」とオリオンビールを2本開け1本は私に。
オリオンでさらに饒舌になった忌野氏の話は続き箱に入ったビールもどんどん減っていきます。
最初はセーブしていたものの空港までは宿の人が送ってくれるそうなので構わず呑み続けました。

(つづく)

2005南大東島08:赤と緑

鉄道写真2005も本日、無事発売されたので南大東島の記事を復活させたいと思います。
ちょっと中間が空いてしまったので右に「南大東島」というフォルダをつくり、そちらにまとめておきますね。

話は前後するのですが夢にまで見た機関車は既に取り壊されていました。
おかげで倉のまわりはサッパリキレイに片づけられています。

shocking8.jpg
これほどショックを感じたことはなかった・・・

もう座りこみたいぐらいクラクラきてしまったのは飛行機や船に揺られたせいばかりではありません。
ここに来る為に色々な方々、会社の協力を得て辿り着いたのに肝心の機関車がなければハナシになりません。
そんなショックから立ち直るにはちょっと時間がかかりました。
しかし、写真を撮りたい。というモチベーションが復活すると色々な物が見えてきました。
美しい赤土に埋もれたレール。

akatuti1.jpg
今まで見たことがない土の色でした。

今まで最も赤い土を見たのは沖縄本島の読谷村にある草薮の中でしたが、それよりも、もっともっと朱色に近い色です。
今考えるとこの写真が一番、南大東島をあらわしているのかも知れません。
キビガラに赤土。そしてレール。

また機関庫跡もよく見てみると色々な部品が散乱しているのが見えてきました。

zanngai2.jpg
無残だけど貴重な存在"

最初に見た時はショックのあまり何も見えなかったのに落ち着いて見渡すと違うものですね。

(もう少しつづく)

2005南大東島07:文化の融合っておもしろい!

南大東島は八丈島の文化と沖縄の文化が融合して・・・
という話をしましたが実際にはどうなっているのかを見てみました。
まずは家のつくりですが予想していた赤瓦は殆んど見られません。
赤瓦が目立つのは公共の施設ぐらいでしょうか。

akagawara.jpg
このフチが黒いのはフードではなくフルサイズゆえのケラレです。

多くは内地型の平屋住宅で2階建て以上の高い建物は沖縄風コンクリート流し込みが多く見られました。このあたりは台風対策でしょうか。
しかしながら玄関や屋根には守護神シーサーが鎮座しており、やはり沖縄と思わせる雰囲気です。
家を見て回っているついでと言うことで表札に目をやると八丈島の苗字と沖縄の苗字が3:7ぐらいで、内地風のメジャーな苗字が書かれた表札は殆んど目にすることがありませんでした。
また沖縄本島ではほとんど見られない神社が、何ヶ所かにあったのが印象的でした。
とても綺麗に整備されているので島の方々がきちんとお参りしているのでしょう。
それにくらべ、私が訪れたお寺は更地になっていました。もしかしたら移動したのかも知れません。
続いて「食」ですが滞在中毎日必ず大東そばを食べました。南大東島にそば屋は一軒しかなかったので、そのお店で出るのが大東そばということになります。
パッとみると普通の沖縄そばに見えるのですがコシが全然違うし、味ももっと旨みがあるので、すっかり病みつきになってしまいました。
また、通い続けたのには、もうひとつ理由があります。地元の方がたくさんいるため昼時は相席になるのです。これはチャンスとばかりに話をして情報を手に入れるというわけですね。ここらへんのスタイルはどこへ行っても変わりません。人の集まる場所。それは土地によって色々違いますが温泉や食堂となると、まず地元の方と話すことができますよ。
話がそれてしまいました。
この大東そば屋さんでは、そばの他に、このような寿司が出てきます。

susi.jpg
これは間違いなく東京の島文化!

これはまさしく東京の「づけ」ではありませんか。こんなところにも文化の融合を見ることができます。
このお寿司はそば屋だけでなくスーパーでも同じものが売られていました。きっと大東そば屋さんが卸しているのだと思います。
大東島で撮影していると動きまわっているせいか、やたらお腹が減りました。
そんな時はこのお寿司や、こんな唐揚げ入りホットドッグを買い、島の一番いい景色の場所に持っていって食べたりしていました。

morning.jpg
なんでホットドッグって言うんだろう?

(つづく)

南大東島をアップするはずが…


今朝は日の出とともに家を出て小湊鉄道へ撮影に出ました。
ところが稲穂は先日の台風で思った以上に倒れています。
なんとか起きているところを入れて撮影することができたのはラッキーでした。
また今日の撮影では先日ご紹介した坂本さんとお会いしました。おすすめ撮影グッズで紹介させて頂いた物を実際に使ってよかった。と言われたのは本当に嬉しかったです。
お昼に一旦戻り午後からは日暮里に出かけました。
諏訪神社のお祭りがあったからです。
和田カメラマンのアトリエにお邪魔して皆で撮影に出かけました。
またA氏のインダスターを借りて色々撮影させて頂いたのも貴重な体験でした。
金属の曲面を撮ったところ面白い特性が見えたからです。
近々このレンズを手にいれて新幹線の500系を撮ってみたいと思いました。
今帰り道なんですが日付が変わるまでに帰れそうにないので今日は南大東島日記はおやすみとなりました。
明日はアップします。



2005南大東島06:島の足確保はちょっと苦労

南大東島には宿が3つあり、普通のホテルが1軒に民宿が2軒あります。
普通のホテルじゃつまらないので民宿2つをどちらにするか悩みました。
プチホテルサザンクロスと民宿金城。値段はそれぞれ¥3.000と¥2.000です。
地方に行くと、この1.000円の違いが大きいことを、身を持って体験していたのでプチホテルサザンクロス3.000円也を予約しました。
カメラやパソコンを持ち込むため、少なくても鍵のかかる部屋、そして机が必要だったのです。
撮影しては宿に戻りパソコンで確認してCDに焼くという作業を繰り返していました。
今回持ち込んだカメラはキヤノン1DS-mark2だったので1枚あたりの容量はハンパじゃありません。コンパクトなパソコンでは能率が悪かったのでインストールしてあるソフトを捨て軽くして何とか動く。というレベルです。

yado.jpg


リュックに忍ばせたCD-R 50枚入りはすぐにカラッポになりました。
島内の移動はレンタルスクーターでした。パン屋さんに「貸してくださーい」と声をかけると名前を聞かれるでもなく貸してくれるシステムです。
ところが3台あるうち、どれもご機嫌ななめ。「これはね、ここを殴るとエンジンかかりやすいのよね。」「これはブレーキが効かない」「これはよくエンジン止まる」
あらら、どれもヤバそうです。
宿に工具箱があったのを思い出し1台を借り、まずは整備から始めることになりました。キャブレターをバラしプラグを掃除したものの、まだ変なのでエンジンを開けたところガスケットが見事に破れています。このまま返しても永久に復活されそうにないので部品はなくても修理するしかありません。ハガキを切り取りガスケットにしました。そのまま組みなおすとブイーン!と心地よいエンジン音です。他にもブレーキを調整して点検して、ようやく足が確保されました。いくら狭い島とは言え直径6キロほどあり、周回道路を回ると20kmあるのです。歩いてまわるにはちょっとキツイですからね。
これでサトウキビ畑の中にある道を走ると(シュガートレインも、こんな感じだったのかな)と感じます。ちょっと一筋縄ではいかなかったけど借りてよかったと思いました。
スピードの出ないスクーターだと色々な物を発見できるからです。
でも最初の発見は、この看板でした。

haya.jpg


島にある唯一の医者が、この歯医者だということです。
それにしても、この看板。どう見ても標識ですよね。

(つづく)

2005南大東島05:あらためて動物写真家を尊敬。

「お~い」「遊ぼうよ~」
船で会った3人ですが夜はダイトウオオコウモリを観察しに行こう。
ということになり「じゃぁ夜にね」なんて言ったものの3人とも別々の宿だから迎えに行くしかありません。
昼間それぞれの撮影をしていると何度も顔を合わせるという
小さい島ですが、それでもいざ会おうとすると難しいものです。
今では携帯電話が普及して、待ち合わせもイージーになってきましたが
南大東島では携帯電話が通じません。Docomoは微妙に通じるらしいのですが我々は皆auということもあり電波は常に圏外です。
だけど不思議なもので携帯がつながらないと昔を思い出します。
宿に「電話がありました」と書き置きがあったり突然迎えに来るなんて、なんか嬉しいやら懐かしいやら。
そんなこんなで日が暮れてからダイトウオオコウモリを捜しに行きました。ここらへんの情報は昼間のうちに「コウモリ女さん」がゲットしていたらしく我々はただの照明役ですね。またしても男の負け。
しかし先ほどから歩くと何かが破裂しているような音が聞こえてきます。
懐中電灯を照らすと、そこは一面カエルの海でした。

kaeru002.jpg


どう歩いても避けようがないので諦めて歩き続けるしかありません。
中学生のときに自転車でカエルを踏んで以来カエル恐怖症だった私も何故か平気になってしまったから不思議なものです。
単にコウモリを見る。と言っても、なかなか見られるものでもありません。そこで用意したのが発砲スチロールです。これをこすり合わせると、あのキーキーと寒い音が出るわけですが、これでコウモリが姿を現すんですね。
この音も苦手だったのですが、この機会に克服してしまいました。

koumori001.jpg


なんとか低い位置にとまったコウモリをカメラにおさめて皆で呑みに出かけました。
メニューは東京の居酒屋と沖縄の居酒屋を足したような感じです。
南大東島の謎について気づいたことを話しながら
カウンターで飲んでいた人に質問を浴びせながら
店に置いてあった三線を皆で弾きながら時は過ぎてゆきました。

(つづく)

2005南大東島04:チャンプルー&チャンプルー

南大東島は人が住むようになって、まだ100年と書きましたが、八丈と沖縄の文化が混じりあっていると聞き興味が沸きました。
ご存知のように沖縄は色々な文化が交じった「チャンプルー文化」で、それに八丈島の文化が混じるとどうなってしまうのか???
考えただけでも面白いではありませんか。それでは、ちょっと色々探ってみましょう。
まずスーパーに行ってみます。スーパーというのは各地方の特色がモロに出るので店内物色は旅の愉しみでもありますよね。だいたいそこでまずは魚を見るのですが、ここには魚ありません。
島だから新鮮な魚がたくさんあるだろうと思っていたのに拍子抜けです。
これは疑問その1発見。ひととおり見てインタビュー開始!
外に居たおばちゃんに話を聞くと「魚は釣るものさ~」「今頃は港に行くと見られるわけ」
バリバリのウチナーグチ(沖縄言葉)でした。
港に行ってみると多くの人が釣っています。

uminntyu.jpg


それも遊びではなく真剣な眼差しというのが印象的でした。
釣れたものが今日のおかず。という本来の狩りです。そのためか、まさに老若男女が横一線に釣っています。
釣りを見ていると大東犬が姿を見せました。

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大東のシンボル

大東犬というのは正式には認定されていないのですが、ここだけにしかいない足の短い犬を言います。今はもう絶滅寸前らしく5頭ほどしかいないそうです。動くものに飢えていた私は、すかさずスローシャッターで流し撮り!

(つづく)

2005南大東島02:一番揺れた日

「バッシャーン!」東映映画のオープニングのような波が容赦なく船を揺らしています。
マリオタクシーでは、「揺れに揺れた一日ももうすぐ終わり優雅な海の旅がはじまるな」なんて思っていたのが甘かったと思い知らされました。
もう乗って10秒で船を選んだことを後悔し、先に港を出てくれなかった船を恨むというワガママぶり。
他のお客さんは大丈夫なのだろうか。と思いあたりを見回すと
スカイブルーの顔色をした青年が海を眺めています。
「大丈夫?」と声をかけたのはお互い同時でした。私も真っ青な顔をしていたらしいのです。
そんなことで、すぐに打ち解けた彼は映像の仕事をしており映画のためにロケハンで南大東島へ行くことになった。と説明してくれました。
その後大声で話したり笑ったりしていたのですが、ここでひとつ気がついたことがあります。
人間あまりに揺られるとハイになってしまうんですね。
遊園地で奇声をあげている人が多いのも、そういった理由なのかもしれません。
ふと船内に目をやると若い女性がカップ麺を食べながらマンガを読んでいます。
「ありえない」「ちょっと聞いてみようか。」と船内に入りました。
「こんにちは、島の人でしょ。色々教えてください」と聞くと
「いえ、私は神奈川からコウモリを撮りに来たんです。」とのこと。
なんと、ここにいる3人が皆、一眼レフを持って撮影に向かっていることになる。「この波大丈夫なんですか?」「私、船大丈夫なんです。」もう我々男の負け。
それから色々3人で話をしていましたが、朝早く家を出たためか急に睡魔が襲ってきました。
それからぐっすり眠れたのはラッキーなことです。揺れで眠れなかったら最悪ですからね。

umintyu1.jpg


甲板に出てみると北大東島が目の前に見えます。北大東島は南大東島のすぐ隣にあり、途中経由するのです。急いで2人を起こしカメラをセットします。やはりカメラを持つとシャキッとするものですね。こんなことなら昨夜からカメラを持っていればよかった・・・
北大東島は外から見る限り岩ばかりです。船が近づくとニョキニョキと人が出てくるのが見えました。「それは時々しか来ない船にどんな人が乗っているのか気になるから見に来るんだよ。」近くにいた人が教えてくれました。
「なんとなくギャートルズっぽいね。」なんて会話をかわしていると岸のクレーンが動き出しました。船員の動きも慌しくなってきています。

大東島は北も南も波が荒いため接岸することができません。そのため物資も人もクレーンで岸に降ろされるわけです。これが体験したくて船に揺られたのでシャッターチャンスを逃すわけにはいきません。コンテナにフックを引っ掛けギュイーンと降ろす。そんな作業をただ撮り続けました。ただ気になるのはクルマです。どうやって傷つけずに降ろすのか。それが不思議でなりませんでした。
するとおもむろにタイヤを持ち上げネットをかましクレーンでギュイーン!

jouriku2.jpg


当然フェンダーはバキバキと音をたてて割れていきますが、お構いなし。地上に降ろされたクルマはヒビだらけ。それでもオーナーらしき人はニコニコ顔で車を撫でています。
ここにいると車の傷なんて重要なことではないのかもしれません。そういった意味では本当の意味での足なんですね。車の本質を見たような気がしました。
それから暫らくして南大東島に到着。念願のクレーンデビューです。

skykoumori4.jpg


檻に入れられると、まるでゴリラになった気分。フックを引っ掛けギュイーン!

akisamiyo.jpg


結構高く上がるんですね。それまでイメージしていたアングルで写真を撮ることができ、久しぶりに大地を踏むことができました。「いやぁ地面って固くて温かいんだなぁ。」
 鉄道写真2005(近日発売)シュガートレインの幻 につづく。
※現在第4部を執筆中!すぐにアップできるよう頑張ります。

2005南大東島01:南大東島って知ってますか?

今年の2月に行った南大東島のことを、「そのうちアップする」なんて言っておきながら
長い間アップしていませんでした。
今日から、そのことを書きたいと思います。
「南大東島は最高に面白いところですよ。」という前に「名前は聞いたことあるけどどんな島だか分からない」という方の方が多いと思います。なにしろ台風の時ぐらいしか一般の放送にのることもありません。
ひどい時には「日本は直撃を避けました」なんていう台風でも、しっかり上陸して大きな被害を受けていたりします。そんな台風直撃の島なわけです。

場所は沖縄本島から東に約400km。八重山とは反対の、ちょうど九州の南の方向に位置しています。意外なことに、まだ歴史は浅く人が住むようになってから100年ほど。
精糖が主な産業で、シュガートレインを走らせるようになりました。

20101218_1724870.jpg
これは木曽の機関車です

「行ってみたい」とは思ったものの、こんな情報ですら思うように掴むことができませんでした。調べ物をするときインターネットを使わない私としては図書館や本屋に通い色々なところに電話したりして、ようやくそんなことが分かってきたのです。
調べてゆくうちに、どんどん興味が湧いてくるのですが問題は足です。
沖縄本島と島を結ぶ交通機関は2つ。船か飛行機です。船だと片道13時間以上。いつも揺れるということを聞きましたが5.000円以内で上陸できるというのは魅力的。
もうひとつの飛行機は1時間で到着するものの値段は船の5倍ほど。
悩みに悩んだ結果、往きは船、帰りは飛行機ということにしました。

当日になり空港に着くと風が強く到着は遅れる可能性があるとのこと。こればかりは仕方ありません。そういうこともあろうかと那覇空港から港までは3時間ほどの余裕をみてあります。
ところが実際に飛行機に乗ると揺れが凄まじいのです。乗り物酔いというのはあまり記憶がない私でもちょっとやばそうな予感。でも飛行機って何故か落ちる気がしないんですよね。
なんとか沖縄が近づいてきたところで異変に気がつきました。周りの人は気づいてなかったみたいだけど、ずっと旋回しているのです。滑走路に何かトラブルがあるのか。と思ったら前の飛行機がバードストライク。つまりエンジンが鳥を吸ってしまったために残骸などをチェックしているとのこと。
だんだん時間の貯金が残り少なくなってきました。

なんとか飛行機は着陸したものの今度は預けた荷物が、なかなか出てきません。それまで旋回していた飛行機が一気に降りてきたのだから無理もないのですが。ようやく出てきた荷物をひったくるようにしてタクシー乗り場に走ると長蛇の列。
ずっと無視していた船会社からの電話でしたが「すいませーん。飛行機が遅れちゃって、すぐ着くんですが。」と言うと、向こうは「諦めてください。」とのこと。
ここまで来て折れるわけにはいかないので粘りに粘るしかないのです。
ようやく順番がまわってきてタクシーに乗ると運転手はサダムフセインというかスーパーマリオというか、とにかくそんな顔をしてこっちを見てます。「急いでいるね。」「はい。とまり港まで大至急!」「にぃにぃラッキーであるねぇ。ワンは島一番の上等ドライバーであるわけさ~」本当に大丈夫なのか分からなかったけど、このマリオ氏に委ねるしかない。港までは、そんなに距離はないけれど那覇の渋滞といったら都内の比じゃなくアジアを思わせる車の量なのです。
「大丈夫ですか?」と聞く私に「大丈夫さぁ」と呑気な答え。車がゆっくりだと思ったのは、ここまででした。
帽子を被り直したマリオ氏は反対車線に出る。一方通行を逆走する。空き地を走るなど、その走りは実写版マリオカートのよう。沖縄のアスファルトは雨が降るととても滑るのですが、その頃になるともう慣れくるから不思議なものです。ドリフト走行する彼の後部座席で楽しんでいるのでありました。
「時刻が来たら出港しますから」と言われたけど、なんて言ったってこっちにはマリオがついている。という変な自信があったから平気!結局出港10秒前というきわどいタイミングでタクシーは到着し、船に乗り込みました。
(つづく)

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