シューティング・ハイ

ずっとずっと考えていて
カタチになってきたイメージ。
この週を待っていました。

ようやく、その時が来て北上。
光線も良好。
あらゆる設定からベストを探る作業。
立ち位置もレンズもカメラの設定も
万能や全能は存在しません。
「ベストだろう」
というギリギリのところに追い込むことができました。

待つ。
何度となく繰り返されるシミュレーション。
そして狙いの新幹線がやってきました。
百恵ちゃん大作戦は成功。

ところが、その写真を客観的に見てみると
もうちょっと。
ほんのもうちょっとだけ、どうにかならないものか。
そんなことを考えてしまいました。
フォトショップで作業すれば大したことはない項目。
でも現段階で、まだやれるならやっちゃおう。

そんなわけで翌日も、この撮影地に向かいました。

広大な草原です。
どこから狙うも自由。そうなると悩んでしまうことが多いのですが今回はテーマがはっきりしています。
与えられたものではなく自分の中にあるイメージだから再現できる場所を探すのは楽しいしこと。
でも面白いもので結局、最終的に自分が立ったのは昨日と全く同じ場所でした。
ほんの少し上下に移動するだけのこと。

最近こういった場合は約2時間前に撮影地入りするようになりました。
風の流れとか向き、強さ。
太陽の感じとか色々なものを観察して撮影に備えます。
また、そうすることで地球との一体感っていうんでしょうか。
そんなものが得られることもあります。
ここまでは集中度が中レベル。
30分前に一旦解放して集中度ゼロの状態にもっていきます。
そして15分前に極限まで集中。
他の列車が来ても撮りません。
とにかく見続ける。
しっかり見続ける。
すると突然すべてのものがスローモーションのように見えてくることがあります。
遠くの音もクリヤーに聴こえて
映画館に独りで居るような感覚っていうんでしょうか。
シューティング・ハイと勝手に呼んでいます。
ライディング・ハイとかランニング・ハイとか色々あるけれど、どちらとも少し違うかな。
凄い世界です。
時速300キロぐらいで走っている新幹線も
ゆーっくりに見えるのだから
本当に細かい部分までしっかり見えるんですね。
だから撮影がラクかっていうと、そうでもありません。
なぜかって?
カメラの動きもまたゆっくりなんですよ。
シャッターボタンを押して幕が開いたりミラーが上がったりなんていう機械的な動き自体は
完全に把握できる感じ。
でも、これがとにかくスローなんですね。
持続できる時間は大切に大切に使って約20分。
素敵な時間ではあるもののデメリットは疲れ果てて暫く使い物にならなくなってしまうということ。
心身ともにダウナーですよ。人と喋るどころか目を開けているのも億劫になってしまいます。
その日だけじゃなく翌日も残ることがあるんですよ。
だから「この感覚に入り込むぞー」と思っても意識的に通常の状態に戻すことがあります。

意識して、その状態に持っていこうとして依存してもムリだし
その状態になったから「自分が思うところのいい写真」が撮れるわけでもありません。
完成形がはっきりしていれば強い味方なんですけどね。

このシューティング・ハイの状態でうまく自分をコントロールできるようになると
最高速で走る新幹線でも正確に狙った場所で停められるようになります。
翌日の同じ時刻でも、この通り。
トリミングしたので分かりやすいかな。

ntitled-1.jpg

上下の移動で見え方を変えた写真でも停める位置はほぼ同じでしょ。
どうしても、ここに止めたかったので思いっきり集中しました。

「絶対にやり遂げたいことに対する強い気持ち」と「適切な集中力」があれば
誰にでもできることらしいので、ぜひ一度は体験してみてください。
翌日がお休みの日をおすすめします。

ブログ内検索

Facebook

月別アーカイブ

写真集「ここから始まる。」

book-hyoushi-2.jpg

被災地支援写真集
「ここから始まる。」
広田泉
販売中です!
寄付のご報告

QRコード

QRコード